こんな家主さんは改善しなくては入居者見つかりませんよ
タイトルを見れば大家さんには気分のいいものではありませんが、このようにならないためにと思っていただければと思います。
新築や築浅物件は、よほど立地が悪い競合物件が多すぎることが無ければ決まるものです。
問題になってくるのは築10年を超えてからです。
その為、新築での一括借上げなどは10年後に見直しというパターンが多いのです。
10年経過すれば入居率が変わってくるという事です。
それなのに銀行などで借入をされたオーナーさんは30年以上のローンを組み家賃収入で返済していかなくてはなりません。
それを考えればいかに計画を立てていかなくてはいけないかわかってきます。
賃貸物件は建てて終わりではありません
いくら良い建物を建てても募集の仕方や修繕、設備投資を怠れば10年目以降は中々決まらない物件に変ってきます。
1 募集の仕方
新築や築浅物件であればポータルサイトなどで募集を掛けるだけである程度は決まってくるものです。
しかし、ある程度の年月が経過し周辺に競合となる建物が建築されてくれば入居に時間がかかるようになってきます。
そこで様々な手段で入居方法を考えるのが管理会社です。
大家さんによってはご自分で管理されて管理会社に依頼しない方もおられますが、その場合は入居斡旋してくれる業者を選別し
良い関係を築き入居のためのアドバイスを頂く事を心がけましょう。
不動産会社で自社管理物件を多く抱える業者はまずは自社の管理物件を先に決める努力をします。
これは、管理料をいただいている物件なので仕方ない事です。
その中で決めやすい、決まりやすいと思っていただく物件にすることが大切になってきます。
自分の意見だけを通すのではなく不動産会社の声にしっかり耳を傾けることも必要です。
2 修繕、設備の投資
ある程度年月が経過すると退去後のリフォームや設備の取替などの費用が必要になってきます。
いつまでも新築時のままというわけにはいきません。
入居者が汚した、壊したものは「原状回復のガイドライン」に沿って修繕や清掃をしていきます。
少しでも出費を少なくしたいのは誰でも同じですが、退去者とトラブルをよく起こす家主だと思われれば不動産会社も警戒するので
冷静に判断することが必要です。
退去時の修繕や清掃だけでなく老朽化した設備の取替(エアコン・モニターフォン・流し台など)が必要となってきます。
まだ使える、もったいないと思っても思い切ることも大切です。
さらに10年前、20年前はなかった設備が当たり前になってくることは容易に想像できます。
現在では宅配ボックスなどもその一つなので周辺の物件などや最近の新築、築浅物件にはどのような設備が設置されているかよく観察することが必要です。
将来的には駐車場がある物件にはEV用の電源が必要アイテムになることも考えられます。
3 周辺相場
建物を建てて10年以上経過すれば家賃相場が気になります。
バブル期には「家賃は毎年値上がりします」といったトークを平気で使う不動産会社もありましたが、考えられません。
こちらは近隣の同等の物件と比べるのが一般的です。
比べてみて家賃が高い、安い、あるいは設備はどうなのか比べると答えが出てきます。
但し、10年経過したから家賃相場が下がるとは限りません。
修繕や設備の変更、投資を行う事で弊社が管理している物件でも築30年を超えても新築時の家賃を維持している物件もあります。
修繕、投資をタイミングよく行う事で家賃を下げることを緩やかにすることは可能だと思います。
但し難しいのはメーカーで建てた建物で「〇〇シリーズ」のように周辺にそっくりな仕様がたくさんある物件に関しては方法も異なってきます。
賃貸物件は室内や家賃・設備だけでなく安くても立地が良くても選ばれない物件があります。
それは外観が汚い、塗装が剥げている、掃除が行き届いていないなどの理由によるものです。
この理由は入居したくない物件の回答でも常に上位にあります。
家賃が安くても設備が充実していても、外観塗装がはげている。外灯が切れている。敷地内(駐車場)が雑草だらけなど
お客様を案内しても部屋に入る前の段階でマイナスポイントを与えてしまいます。
管理会社に依頼されている場合はその会社にしっかりとお願いし、ご自身で管理されている場合はこまめなチェックをしましょう。
入居者はお金を毎月支払ってくださるのです。
4 管理会社の選定
管理を依頼される場合の基本は
一括借上げをするか。借上げはしないけれど管理全般の依頼をするかとなります。
ここでは部分的な管理は省いてご案内します。
一括借上げというのは借上げ期間中常に満室状態なので空き部屋のリスクはありません。
一見すればお得なシステムですが、当然家賃がすべて入ってくるわけではありません。
一般的には、満室時の家賃収入の15~20%の費用を管理会社が徴収します。
20%の場合10部屋あれば満室時でも8部屋分の家賃しか収入にならないこととなります。
古くなって入居率が下がり苦労している物件なら仕方ありませんが、新築や築浅など満室が想定される建物では逆に損ととらえることもできます。
管理会社も自社が損をする設定は行いませんから、一括借上げの費用が10%に抑えたプランだとしても、
共益費、管理料、などを大家さんではなく管理会社に入るように変更となったり
修繕に関しては管理会社指定業者で必ず修繕しなくてはいけない。などの拘束も出てきます。
他に安い業者があってもそちらを使用することが出来ない場合もあり制約が出てきます。
それを嫌がって解約するにも違約金が発生しますので、一括借上げなどは事前の下調べをきちんと行う事が大切です。
通常の管理委託をする場合
ご自身が所有している物件と同タイプの建物を斡旋するのが得意とする業者を選ぶことが大切です。
さらに現在の賃貸物件の募集方法に精通している業者を選ぶべきです。
余談ですが、現在弊社の周辺には不動産会社が9件ありそのうちの2件はフランチャイズ
残りの7件中ホームページをもっている業者は4件あり
そのホームページをきちんと稼働しながら集客につなげている会社は弊社のみです。
この時代インターネットでの集客が圧倒的に必要になっています。
そのあたりも管理会社を選ぶポイントとなるでしょう。
最後に、タイトルに書いた「こんな家主さんは改善しなくては入居者見つかりませんよ」ですが
賃貸物件を建てるだけでなくきちんと管理することで入居者に選んでいただける物件になるかどうか
さらには家賃の下落をなるべく少なくする方法へとつながってきます。
今回書かせていただいた内容やっているよという大家さんは特殊な理由が無い限りは
「入居者が見つかりやすい物件を持っている家主さん」となるでしょう。