新築と既存の建物の話・・
昨日に続いて新築と既存の建物の話・・
多くの方が部屋探しをする中で探されるのが築浅や新築物件といわれます。
レトロな建物や部屋が好みという方以外は新しい方が良いという答えが返ってきます。
それに続くように新築の賃貸物件も毎年多く建築されます。
場所によってはかなりの供給過多で建てても満室にならないような地域まで出てきています。
なぜこんなことになるのか…
欧米では100年を超えた建物がざらにあるのに対して日本では平均40年ほどで取り壊している実態
通常古くなれば壊して建て変えるという事になるのですが、現状では古いものは壊さず低家賃で修理すらままならない物件
そして新しいものがどんどん増えて気が付けば新築なのに家賃を下げなければ決まらないといった現状になってしまいます。
弊社のある岡山市中区、西川原駅の周辺でもここ数年でびっくりするくらいの新築が建ってきましたが一昨年あたりから
完成=満室という現状は続かなくなっています。
さらにメーカー系の建物などは1棟建てて1年後、あるいは2年後にもう1棟…近くにもあと2棟となれば
同じ家賃なら新しい方から入居者が決まり築4~5年で家賃が新築と同じ建物は入居率が下がってくる…
その入居率が低下した物件が家賃保証などの借り上げ物件であれば一定の時期で家賃の見直しとなってきます。
もちろん新築は不安だから見直した方が良いというわけではなく
建築会社や不動産会社の話だけでなく地域の現状や周辺にどのような建物が建っているかなども考慮して
きちんとした計画性をもって実行するのが良いと思います。
では古い建物はどうでしょう
ポータルサイトなどを見ても築年数10年を過ぎた物件の検索率はぐっと下がってきます
そしてお客様の口から20年以上の築年数の建物を古いですね‥・という回答も耳にします。
でも実際に手入れをしてある物件ならば築年数が30年経過していても入居率は高いものが多くみられます。
弊社で管理する物件で築35年目の1Kがありますが以前は他の業者で管理をしていてここ4年前から弊社に変ったものです。
今まではさほど手を入れていなかった建物に少しずつ手を加えて入居率50%を切る物件だったものを
現在の入居率は100%…空き状況になったとしても比較的早く決まる人気の高い物件になったものもあります。
古いから決まらないのではなく…古くても手入れをきちんと行い定期的な設備投資などすることで維持できるのです。
中にはこの造りでは当初の目的が達せられないような物件もありますが、方向性を変えることで
新たなニーズを掘り起こすことができる物件になるものも多いのです。
例えば昔よくあった縦長の2K又は2DK物件などはファミリーで使うことが難しくなってきています。
それを一部屋にすることで広い室内と単身者用よりも広いキッチンを備えたアパートになり
築年数が経過していても入居率が上がるといった例もございます。
日本は欧米に比べて新築はよく決まり古い物件は決まりにくいといった考えが昔からありますが
適正な家賃で住みやすい部屋・ニーズに合った部屋を提供することで今後も古い建物の価値を見いだせると思います。
最後に、先日古いビル1棟をすべて直したいとお問い合わせをいただき
ただいま図面を制作して4月半ばより取り掛かる準備をしています。 こちらはまたご報告いたします。