アパートという建物についてかんがえる
物件紹介ではなくアパートという建物について色々と考えてみたことを書きたいと思い。
新着情報ではなくあえてコラムへ…
ここ数年都市部だけでだけでなく地方でも新築のアパートや賃貸マンションが多く建っています。 特にしばらくはあたらしものが建つ気配がなかった学生さん向けのものが増えてきました。
バブル崩壊後に家賃が下がりずいぶんの苦労されたオーナーが多く1Kや1DKの学生賃貸はもうからないと言われ弊社の周りでも永く新築が建ってきませんでしたが、4年ほど前から少しずつ新しいものが建築されています。 多くの建物が学生さん向けに家賃をおさえながら採算の取れる建物を建てることから室内が狭かったり防音性が低かったりという建物も多く出てきました。
これはバブル期に建てれば満室!!といった時代と同じで将来的には苦労する物件になってくると思います。
特に新築でありながら部屋が狭いという物件は将来的に新たな設備を投下しようとしてもスペースの余裕が無く無理であったりするのでせめて広さだけは確保できる建物を建てたいところです。
オートロックや脱衣スペース・ウォークインクローゼットなど、のちのち設置するのには苦労するものは新築時に費用がかさんでも設置するというのが私の考え方ですが、ちょうどこのコラムを書いている最中に1棟デザイン的にはもう少し頑張れたかな?と思う建物ですが、スペースを考えた建物を建築中です。 但しそんな建物はやはり建築費も高いので家賃が少々高めになってしまうのは仕方ないところでしょう。
ただ最近の新築物件というのは設備重視の傾向が強いとも感じます。
多くの賃貸物件を見ているとそういえば昔はこんな建物があったな…と思い起こされることもあります。
その一つに1階に食堂があって2階や3階がアパートという建物。 1階で食事が出来てそのまま部屋に帰れるそんな賃貸学生街に行けば昔はいくつかありましたよね。
最近ではコンビニで買って食べたり、ファストフードだったり食事も多種多様化してきてそんな風景は少なくなりました。
でもネットで検索すると新たにそんな試みをしている会社もあって弊社と同じ不動産会社でも神奈川県相模原市の賃貸入居者専用の食堂「トーコーキッチン」などは古い建物の1階を改装していたり
東京都目黒区でも新築の1階位に食堂をつくって上層階の住人とコミニュケーションの取れる建物を造ったりなども出てきました。
後者の建物は設計士の方が一から造ったものですが、古い物件を1棟思い切ってリノベーションしたり新しい建物を建てるにしても今までと同じように新しさと設備のみに走るのではなくちょっと住みたい。見に行きたいという建物にリノベーションしたり建築する方がよいのではないかと考えます。
新しさと設備の建物は…もっと新しくもっと設備のよい建物が出てくれば競争に負けてしまいます。
食堂付きの建物…食堂ではないけれど街中なら1階がレストランだったり居酒屋だったりという建物は結構あります。 でも意外と人気が無いのはなぜでしょう…
1階に食べ物屋があると害虫が来るというイメージからかもしれません。
そのあたりもちゃんと考えた建てものや設備以外にいろいろと新しい試みにトライした建物が残っていくのかな? と思うこの頃です。